投稿日:2020年08月12日
【現場のスタッフの声】社内エンジニアインタビュー

まずは、簡単に自己紹介をお願いします。

社内SEの鈴木です。2015年に社内で最初のエンジニア専門職として中途入社しました。主な仕事は弊社が運営するECサイトの開発と、運用と、保守です。

―開発も、運用も、保守も、1人でやっているんですか?

そうですね。本職のエンジニアは社内で私だけなので、大半は私の担当です。サーバーのセットアップ、セキュリティ対策、ECサイトの改修、日々のメンテナンスから業務システム構築まで、小規模なWEB系の会社でエンジニアが行う仕事は一通り経験したと思います。したことがないのはスマートフォン用のアプリ作成や受託開発くらいかと。しかし自分1人で担当することに限界を感じているので、そろそろ新たなエンジニアに入社してほしいと思っています!

―随分と色々な仕事をされていますが、前職でも同じだったのでしょうか?

前職はどちらかといえば特定の分野に絞られた仕事をしていました。そもそも私は大学での専攻は機械工学で、工業機械の設計とか材料の特性とか、そういうのを学んでいたんですね。電気工学の授業や趣味でプログラムに触れる機会はありましたが、学生の時点ではWEBどころかハード寄りだったんです。その流れで新卒では大手電機メーカーの関連会社に就職し、ハードディスクなどストレージを開発する事業部に配属されました。事業部の中には顧客対応と開発に特化した部署があり、どちらで仕事をするかは自分で選ぶことができたので、開発特化の部署を希望しました。当時は自分の開発能力を高められれば何でもいいと考えてましたので。それからは3年ほどストレージを管理するソフトウェアの開発に携わっていました。使用していた主な開発言語はJavaとC++です。ストレージ操作用のインターフェースとかも作ってましたね。

仕事の内容も環境も今とは全く異なっていました。以前の職場は大企業の関連会社ということもあり、セキュリティや内規の都合で使用できるツールに制約がありました。また、任される仕事は上流工程で仕様がある程度決まったものが多く、担当する範囲も限定的でした。そうした部分にはじれったさも感じていましたが、10人くらいのユニットで仕事をしていたので相談できる同僚や先輩がいたり、社内でのキャリアプランが整備されており将来のビジョンを描きやすいというメリットもありました。

―その状況からどうして転職しようと思ったのですか?

もっと色々な仕事を経験したくなったから、というのが最も大きな理由です。前職では入社以来ずっとストレージに関わっていましたが、そのまま居続けることで特定の分野に最適化されすぎたスペシャリストになってしまうかもしれないという危機感が徐々に芽生えてきました。将来のビジョンが描きやすいといっても、それは社内での将来の職位や仕事をイメージしやすいという意味ですので、自分にとって望ましいキャリアかどうかはまた別です。このままストレージのスペシャリストとしての将来を目指すか、それとも一度外に出て異なる経験を積むか、今後の仕事について悩んでいた頃に、弊社の代表から一緒に働かないかと誘われ、丁度良いタイミングということもあり転職を決意しました。

―現在の仕事で好きな部分や面白いと感じている部分はどんなところですか?

多くの仕事を任されていることや、自由度が高い点も気に入ってますが、自分の仕事への反応がダイレクトに返ってくるところも好きですね。サイトの改善を行えば売上が伸びたり、使い勝手が良くなったとお客様から感想を頂けるので、仕事の結果が見えやすいです。また社内システムの開発では、自分が作ったシステムを同僚が使っている姿を目の前で見ることもできるので、内部的な貢献も実感しやすいです。このあたりは小規模な会社だからこそですね。会社全体が1つのチームのようなものですから。逆に何か失敗した時も反応がダイレクトに返ってくるんですが、それもまた新たに対策を講じるきっかけにもなるので面白いと思っています。前職は会社と事業規模がとても大きかったので、自分が関わった製品がエンドユーザーにどのように使われているかや、自分の仕事が事業にどの程度の貢献があったのかについて実感を得ることが非常に難しかったんです。上司や他の部署を通じて取引先やエンドユーザーの反応を聞くこともありましたが、現在のように自分が作ったシステムへの反応を間近に確認することはできませんでした。

―現在の仕事ではどんなところに気をつけていますか?

先ほどの話とも関係しますが、一番気をつけているのはお客様や社内の同僚とのコミュニケーションです。運用や保守も担当しているとはいえ、やはり社内SEの主な仕事はECサイトの改善や社内システムの開発ですから。お客様や同僚が何を求めているのかを理解し、何を改善する必要があるのかを常に気を配るようにしています。お客様からの問い合わせやレビューは自分でも目を通し、何が評価されているのか、何が不満に思われているかを特定していますし、同僚に対してはシステムで困っていることがないかを定期的にヒアリングしています。

―お客様や同僚から得た情報を元にして実際にどんな改善を行いましたか?

改善例は色々とありますが、自社ECサイトで出荷手配の進捗をお客様に通知する仕組みの見直しは自分が主導して行いました。弊社が販売している商品の中には受注後に製造を行うものがあり、扱いが特殊なために手動での事務処理も挟むことから、お客様への通知が遅れ気味だったんですね。なので、こちらで業務内容を棚卸してから自動化できる部分は自動化し、お客様への通知を速やかに行えるようにしました。また、社内で使用する業務管理システムの操作ミスが発生した場合は、該当する操作が行われそうになった場合にアラートを出したり、そもそもミスが起きない仕組みへの変更などで対処しています。会社としても、ミスが発生した場合はどのようにリカバリーし再発を防ぐかを重視していますので。

―現在の仕事で特に苦労したプロジェクトはどんなものでしたか?

弊社が利用しているCMSの大規模なアップデートが最も苦労しました。2012年のバージョンから2020年のバージョンへのアップデートでしたので、使用するフレームワークが異なっており、まずはフレームワーク自体の習得から始める必要がありました。その他にもサーバーの構築、データの移行、CMSと連動している社内システムの改修などがあり、個人情報やクレジットカードも扱うシステムのためセキュリティにも気を使いました。ですので準備期間も含めて移行作業全体ではかなりの時間を費やしています。このアップデートで何が特に大変だったかといえば、それらの作業の大半を1人でやらなければいけなかったことですね。移行後のバージョンは比較的新しいものなので、枯れたバージョンと異なり開発コミュニティにも情報が少なく、とにかく自力で解決しなければならない状況が何度もありました。その分だけ身に付くものも多かったですが。

―今後使いたい技術や、社内の技術的な面についてどんな形を目指したいかなどの展望はありますか?

これまで行ってきたサイトや社内システムの改修は、既存の仕組みの範囲に留まりがちでした。それは今まで利用していたCMSの制約によるところが大きかったのですが、先ほどお話しした通りCMSの大幅なアップデートを行うことで基盤を整えることができたので、今後は積極的に外部サービスと連携して改善の範囲を広げていきたいと考えています。また、今まで自社ECサイトで取り扱っていた商材はBtoB向けでしたが、今後は会社全体で農業事業に進出するため、農産物の販売などBtoC向けを中心としたECサイトを立ち上げることになるかもしれません。そうなると新しいECサイトで求められる要件も今までとは違ったものになりますので、状況に適した技術の選択をできるように準備はしておくつもりです。